私達の身近に存在する、犬猫に注意が必要な食べ物の一例をあげておきます。
意外と沢山の種類の食べ物があります。あらかじめ知っておくことで、誤飲誤食を防ぐ事ができますので、確認も兼ねて目を通しておいてくださいね。
ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニラ、にんにく、わけぎ、あさつき、らっきょう)
嘔吐・下痢・溶血・貧血・血尿など
あんず、さくらんぼ、すもも(プラム)、りんごの種
嘔吐・痙攣
アスパラガス
腹痛・痙攣・吐き気・心臓・呼吸器・腎臓に障害
ほうれん草
結石
アロエ
下痢・腎障害
ジャガイモの芽
嘔吐・下痢・流涎
ぶどう
嘔吐・下痢・腎不全・腹痛
レーズン
嘔吐・下痢・腎不全・腹痛
マカダミアナッツ
筋肉の硬直・震え・心拍の増加・嘔吐・発熱
ピーナッツ(油分・塩分)
肥満・糖尿病・腎臓病・結石
とうもろこし
消化不良
こんにゃく、しいたけ、たけのこ
消化不良
チョコレート・ココア・コーラ
嘔吐・下痢・運動失調・ふるえ・発作・昏睡・興奮など
コーヒー
呼吸促迫・頻脈・けいれん・不整脈
えび・いか・たこ・かに
(チアミナーゼ→ビタミンB1欠乏症に。加熱するとチアミナーゼは失活しますが、いずれも消化しにくいのであげないのが無難です。)
消化不良・食欲不振・嘔吐・運動失調・痙攣・失神
卵白
下痢・皮膚炎・結膜炎?
レバー
脊髄の変形?
貝類
消化不良・ビタミンB1欠乏症・嘔吐・皮膚病?
ブルーベリーは食べても大丈夫?
犬にぶどうをあげてはいけないということも定説として語られるようになってきましたが、見た目のよく似たブルーベリーは大丈夫なのでしょうか?
答え ⭕
ブルーベリー、見た目はぶどうに似ていますが、
ぶどうはブドウ科、
ブルーベリーはツツジ科
の植物で全くの別物です。ブルーベリーには、犬が摂取してはいけない成分は大量に含まれていないので、中毒症状を起こす事はないでしょう。ただし、どの食品についても言えることですが、過剰に与えてしまうと消化不良や下痢を引き起こしますのでご注意下さい。少量を楽しむ分には問題ありません。
フルーツ全般に言えることですが、犬は甘いものを好みます。「もっとちょうだい!」と欲しがると思いますが、欲しがるままにあげすぎないようにして下さい。食事を適度にコントロールしてあげることも愛情です。食べる瞬間は嬉しくても、その後、病気になってつらい思いをするのは動物達です。あげないこと、我慢させることも動物達のためであることをご理解くださいね。
いちじくって食べても大丈夫?
人では美容と健康に効果のある健康的なイメージのいちじく。健康に過ごすために、動物達にもあげてみようかな?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
答え ✗
いちじくは犬猫にとって有害な成分が含まれていますのであげないでくださいね。ジャムやドライフルーツになっているものもあげないようにしましょう。人間にとっては「不老長寿の果物」と言われていますが、犬猫にとっては危険な果物です。
・「フィシン」」というヘタから出る乳白色の液はタンパク分解酵素で、犬猫が摂取してしまうと、口の粘膜がただれたり、よだれが大量に出たり、嘔吐、下痢を起こす可能性があります。人間には二日酔いの予防や消化促進などの作用がありますが、動物達には有害です。
・また「フラノクマリン」という光毒性物質が含まれ、嘔吐や下痢、元気がなくなったり、皮膚炎を生じる危険性が高くなります。
・葉にはゴムの成分の「ラテックス」が含まれ、蕁麻疹や喘息発作アナフィラキシーショックなどのアレルギー症状を起こす可能性があります。
乾燥いちじくには「シュウ酸塩」と「カルシウム」が多く含まれますので、尿路結石(シュウ酸カルシウム)症の既往歴のある子は要注意です。
ジャムも大量の砂糖が使われているので避けた方が良い食品です。
アボカドは食べても大丈夫?
健康なイメージの食品つながりでもうひとつ。森のバターと呼ばれ栄養豊富で美容にも効果の高いアボカド。ドッグフードにも使われているので、与えても問題ないと思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。
答え ✗
でも実はアボカドも動物達にとって危険な食品のひとつなんです。特に鳥に対しての毒性は高く、摂取後数時間で死亡してしまうこともあるほどです。
犬猫に関してはそこまでではありませんが、消化器症状(嘔吐や下痢など)や呼吸器症状ひどくなると痙攣などが出てくることがあります。
「ペルシン」という成分が含まれ、人間には無害ですが、犬猫など動物に対しては有害です。アボカドには様々な種類があり、日本で主に流通しているのは「ペルシン」の含有量が多いタイプです。ドッグフードに使われているのは「ペルシン」の含有量が少ないタイプです。脂質の多い食べ物は犬猫は好みますが、絶対にあげないでくださいね。
マカダミアナッツなどナッツ類
健康にいい良質な脂質が豊富に含まれるナッツ類。健康に良いイメージの食品ですが、犬猫には与えてもよいのでしょうか?
答え ✗
アーモンド、くるみ、ピーナッツ、マカダミアナッツなどいろいろな種類のナッツがありますが、特に注意が必要なのはマカダミアナッツです。
マカダミアナッツの中毒原因物質は明らかではありませんが、摂取すると元気がなくなる、筋肉の震え、歩けない、嘔吐、発熱などの症状がでるようです。
3キロの小型犬であれば、一粒食べただけでも症状が出てしまう可能性がありますので、注意したいですね。
また、その他のナッツ類も基本的に多量に含まれる油脂が嘔吐や下痢、膵炎を引き起こすこともあります。膵炎は命に関わる状態になることもありますので注意が必要です。元気がない、繰り返す嘔吐や下痢などがみられた場合、なるべく早く病院へ連れてきてくださいね。
食べてしまったらどうすればよいのでしょうか?
治療としては、1時間以内など早い段階であれば催吐処置をします。また、発見した時に既に時間が経ってしまっている場合は、活性炭の投与で毒素を吸着させ便と一緒に排出させたり、輸液をすることによって有害な成分をできるだけ早く体外へ排出させます。
また同時に血液検査を行い、腎臓や肝臓、膵臓などがダメージを受けていないか確認します。数値の上昇などが見られた場合はそれらに対する治療も行います。
食べる現場を目撃したら、できるだけ早く病院へ行ってあげてくださいね。
でも、食べないのが一番です!
愛する動物達を危険な目に合わせることのないようご注意下さいね。