猫ちゃんもフィラリアに感染します
犬では一般的になったフィラリア予防ですが、最近では猫ちゃんも感染することが分かってきており、フィラリア予防される猫ちゃんもかなり増えてきました。猫でもかなり一般的になりつつあるフィラリア予防ですが、昔から猫を飼われている方にとっては耳慣れない病気であるかと思います。予防したほうがいいのか?どんな症状が出るのか?など予防しようか悩まれている方の参考になれば幸いです。
犬と同様、蚊が媒介する病気です
猫に寄生するのも、犬の糸状虫症(フィラリア症)と同じ寄生虫で、犬の場合と同じように蚊の媒介によって感染が成立します。蚊によって体内に入ったフィラリア子虫が体内で成長し、最終的に心臓に寄生します。
猫のフィラリア症は突然死の原因になります
犬の場合はフィラリアが心臓に到達する事がほとんどですが、猫の場合は成虫にまで成長する可能性は極めて低く、寄生されたとしてもその寄生数は少ないと言われています。しかし、猫の場合、心臓に到達できずに途中で死滅してしまった子虫や成虫に対する組織反応が犬より強く出るため、寄生数は少なくても劇的な症状が出てしまうことが多いようです。咳や呼吸困難などの強い呼吸器症状が出たり、突然死の原因になることがあります。猫のフィラリアによる咳や喘息などの呼吸器関連の症候群はHARDハード(Heartworm Associated Respiratory Disease)犬糸状虫随伴呼吸器疾患と呼ばれます。
室内飼いでも危険です !
日本は蚊が多いので、室内飼いのねこちゃんでも感染の可能性は高いのです。10匹に1匹の猫ちゃんがフィラリア幼虫に感染していたという報告もあるほどです。
室内飼いだから大丈夫ですよね?とよくご質問を受けますが、室内でも蚊は入ってきます。完全な室内飼いやマンション10階での感染報告もありますのでご注意ください。
どんな症状が出る?
猫フィラリア症の多くは無症状ですが、慢性の咳や呼吸困難、食欲不振や体重減少、元気消失、たまに嘔吐するなど「なんだか元気がない」というぼんやりした症状しかあらわれないことも多いようです。しかし1匹の寄生でも激しい症状を示し致死的経過をたどることも珍しくない病気です。
予防が大切です
特徴的な症状がなく、犬のような検査キットもありませんので、診断は容易ではなく、超音波検査でも寄生数の少ない猫では確実に診断できるとは限りません。症状や飼育環境、超音波検査などを総合的に判断するしかありません。確定診断が難しいことから、見逃されているケースもあると思われます。
猫のフィラリア症は予防さえしてあげていれば確実に防ぐことができる病気です。愛する猫ちゃんが苦しい思いをしなくて良いようにぜひ予防してあげてください。
どんなお薬?どう予防するの?
1ヶ月に1回の予防薬を投与するだけです。飲むタイプのお薬が苦手な猫ちゃんが多いので、背中に垂らすスポットタイプのお薬が主流です。病院で爪切りと一緒に月に1回つけていかれる方もいらっしゃいますし、病院が苦手なこの場合は、お薬だけ持っていっていただき、お家でつけてあげてもOKです。
夏だけ予防すればいいの?
金沢では5月〜12月に月に1回、お薬を投与していただいています。
しかし、だんだんと温暖化がすすんできており、蚊の活動期間がのびているので、ご心配な方は1年を通しての予防が確実と言われています。
ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせくださいね。