お水をよく飲む・おしっこが多いのは病気のサイン!
・何気ない日常の行動なので見逃しがちですが、お水をよく飲むことや、おしっこが多いというのは、重大な病気のサインであることが多いんです。
・本来、体は必要な水分を保持する機能がありますので、必要以上に体外へ排出してしまうことはありません。主にそれら機能は脳と腎臓の働きにより調節されているので、それらのどこかに異常がでると、お水を飲む量が増えたり、おしっこの量が増えたりといった症状現れはじめます。

 

体重1kgあたり100ml以上飲むと多すぎです
・基本的には、沢山飲むから➡沢山おしっこが出るというわけではなく、沢山おしっこが出るから➡沢山飲む場合が多いと言われています。
・病的に沢山飲むというのは、1日に体重1キロ当たり100ml以上飲むと多飲であると言われます。ですから、5kgのワンちゃんが500ml以上飲むと飲み過ぎになります。「最近、お水をよく飲むな」と思った時には、飲む水の量を測ってみましょう。
・お水を飲みすぎる病気として腎臓病、糖尿病、副腎皮質亢進症、子宮蓄膿症、腫瘍などがあげられます。

 

子宮蓄膿症とはどんな病気?
・この中でも、避妊手術をしていない中〜高齢のワンちゃんに多い病気は子宮蓄膿症です。高齢の子でなりやすい病気ですが、若くてもなってしまう子もいますのでご注意下さい。(当院でも1回目の生理の後に発症した子がいました。)
・ワンちゃんの場合、人と異なり加齢で生理が無くなること(閉経)はありません。経血量や生理の間隔があくなどの変化は現れますがなくなることはありませんので、避妊手術をしていないワンちゃんは、生理がダラダラ続いていないか、経血がドロっと膿っぽくなっていないか、生理の後にお水を飲む量が急に増えてきていないか、元気食欲がおちてきていないかを、よく観察してあげて下さい。

・この病気は子宮の中に細菌感染が起こって、膿が溜まる病気です。この細菌が出す毒素が多尿(おしっこが増える)を起こさせ、更に多飲(沢山飲む)も引き起こします。
この病気は、発見が遅れると命に関わる危険な状態となりますので、できるだけ早い段階での受診をお勧めいたします。
・一般的な治療は膿の溜まった子宮の外科的摘出です。ほとんどの場合手術で感染した子宮を摘出してしまえば元気になりますが、合併症を起こしてしまうと(腎不全や血栓ができたりして重篤な状態になる)、最悪の場合死に至ってしまうこともあります。
・避妊手術をしていないワンちゃんの4頭に1頭に発症するとも言われ、50%と言われることもあり、かなり高い確率で発症するのは確かです。

 

・これを防ぐためには、若いうちに避妊手術をすることが必要です。
・治療費で考えてみても、もし発症してから手術するとなると、予防的な避妊手術の2倍〜3倍の治療費がかかります。生涯にかかるトータルの治療費で考えると、予防的な避妊手術をしておくことが最もお得で経済的な選択であると思います。
・生理の来た時期は毎回チェック記録し、その後1〜3ヶ月はよく様子を確認してくださいね。