マダニ予防をお忘れなく!
暖かくなってくるとマダニの活動が盛んになってきます。犬にも猫にも付きますので、お外に行かれる動物達がいる場合はご家族も注意が必要です。特に草むらに入っていくと顔周りに付くことが多いようです。
野山に行くと付いてしまうイメージですが、意外と身近な街路樹付近だけを散歩するような子にも付くことは多いです。今年は例年よりもマダニがついて病院に来られる方が多いようです。噛み付いて吸血されてしまった時は、無理に引き抜くと皮膚に咬み付いた頭が残って皮膚炎をおこしますので、付いてしまったマダニを見つけた時はご来院下さい。
ぷっくり吸血していて気持ち悪いですね・・。慌てて引っ張ると頭が残って皮膚炎を起こしてしまいますのでご来院ください。特殊な器具を使って抜き取ります。
マダニってどんな虫?
家庭内に生息している目に見えないダニとは異なり、硬い外皮に包まれ比較的大型のダニです。吸血前は3〜4ミリ、吸血後は小豆大にまで大きくなります。「ワンちゃんにできものができました!」といってご来院された子を、よくよく確認するとマダニであることは比較的よくあります。お散歩コースや公園の草むらに潜んで、犬の体温や匂い、二酸化炭素、振動を感知し、飛び移る機会をうかがっています。活動が活発になるのは春から秋にかけての季節です。
吸血すると下段のダニのように、パンパンにぷっくりしてきます。
これができもののような触り心地になるんです。
ダニ媒介感染症
・ダニが媒介する感染症は多く存在します。
・病原体を保有するダニに咬まれることによって起こる感染症です。
・人が野山や草むらに農作業や野外作業で立ち入るとダニに咬まれることがあります。
・全てのダニがウイルスを保有しているわけではありませんが、運悪くウイルスや細菌を保有しているダニに咬まれた場合、病気を発症することがあります。
主なダニ媒介感染症は以下のとおりです。
外部リンク
・日本紅斑熱
・重症熱性血小板減少症(SFTS)
・ツツガムシ病
・ダニ媒介脳炎
SFTS(重症熱性血小板減少症)にご注意下さい
ダニ媒介感染症の中でも、よく知られているのはSFTS(重症熱性血小板減少性)という病気です。これは、マダニの持つウイルスに人が感染して発症する病気で、致死率が非常に高く危険な病気です(致死率は10〜30%と言われています)。石川県でも死亡例がでています。石川県で死亡例が出ているということはすなわち、ウイルスを保有しているダニが石川県に既に存在しているということです。ダニが直接人の血を吸血して感染するのはもちろんですが、この病気に感染した犬猫から人へ直接病気が感染した例も報告されています。ノミダニ予防は、ワンちゃんネコちゃんのマダニを予防するだけではなく、人の病気の予防も兼ねていることを忘れないで下さい。この病気は一年中報告されておりますので、お散歩に行かれる方は一年を通しての予防が安心ですね。